水質要件

おいしい水の水質要件

 おいしい水とはどんな水でしょうか。
 昭和60年に厚生省(現在の厚生労働省)が「おいしい水の水質要件」(蒸発残留物、硬度、遊離炭酸、過マンガン酸カリウム消費量、臭気度、残留塩素、水温の7項目)を発表しています。
 水の味に与える影響は次のようなものです。

蒸発残留物
 水が蒸発した後に残る物質で、成分は主にミネラル分。
 多く含まれると苦みや渋みなどを感じるが、適度に含まれると、こくのあるまろやかな味がする。
硬度
 主なミネラル分である、カルシウム及びマグネシウムの含有量を表す。
 おいしい水の条件としては、硬度成分が適度に含まれることが必要である。硬度の低い水は「軟水」といい、味にくせがない。
 一方、硬度の高い水は「硬水」といい、しつこい味を感じるほか、人によって好き嫌いが分かれることが多い。
遊離炭酸
 水に溶けている炭酸ガスのことで、水にさわやかさを与える一方、多すぎると刺激が強くなってまろやかさが失われる。
過マンガン酸カリウム消費量
 水に含まれる有機物の指標。多く含まれると渋みを感じる。
臭気度(臭気強度)
 水についているにおいの強さを表す(においの種類は関係ない)。カビ臭や藻臭など、水に不快なにおいが付いていると、まずく感じる。
残留塩素
 水道水中に残留している、消毒用の塩素のこと。
 衛生上、水道水は塩素が0.1mg/L以上残留していなければならないが、残留塩素の濃度が高すぎると、いわゆる「カルキ臭」の原因となる。
水温
 冷たい水は、生理的においしいと感じる。
 また、水を冷やすとカルキ臭などのにおいが気にならなくなるため、水をおいしく飲むことができる。

「おいしい水の水質要件」からみた岡山県南部水道企業団の水は次のようになります。

 
項 目 おいしい水の水質要件 岡山県南部水道企業団の水(注1)
蒸発残留物 30~200㎎/L以下 91㎎/L
硬度 10~100㎎/L以下 49㎎/L
遊離炭酸 3~30 ㎎/L以下 6.4㎎/L
過マンガン酸カリウム消費量(注2) 3㎎/L以下 1.2㎎/L
臭気強度 3以下 1以下
残留塩素 0.4㎎/L以下 0.63㎎/L(注3)
水温 20℃以下 17.6℃
  1. 浄水場出口における、平成28年度の年間平均値を記載しています。
  2. 全有機炭素(TOC)の量を過マンガン酸カリウム消費量に換算しています。
  3. 岡山南部水道企業団の水は、長い距離を送水するために、残留塩素の量は、浄水場の出口ではおよそ0.6㎎/Lで送水していますが、他の成分と反応して減っていきます。
    この表は、浄水場出口の数値ですから、皆さんの家庭の蛇口からでるころには、塩素も消費され、この数値よりは低くなっています。
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